HRも終わり、稟が帰り支度をしている所に両手にカバンをぶら下げたネリネが彼の
元へとやってきた。
「あの、稟さま」
「何かな? ネリネ」
「あの……えっと、今から私の家へ来て下さりますか?」
「「「「「な、なんだってー!!」」」」」
教室中どころか、学校中から驚きの声が上がる。
ネリネの誘いよりもその声に稟は驚いていた。
「ほ、本当かキバヤシ!?」
「お、お前ら落ち着け!!」
「土見稟許すまじ……土見稟許すまじ……」
「ヤハラ・マヌタ・ウン・ソワカ……」
驚きの声の後に聞こえてくるのは混乱の声、それを宥める声、恨み辛みの声、そして
終いには何かの呪術の言葉すら聞こえてくる始末だ。
「ネリネ、とりあえず急いで学校を出よう」
「え、でも稟さま。不要な汚物は消毒しておきませんと……」
稟を侮辱しているのが分かったのか、ネリネの手には今まで以上の大きな魔力球が形成
されていた。
「俺はそれよりも早くネリネの家に行きたい。だから行こう」
「稟さま……わかりました」
稟の必死の説得にネリネも冷徹な表情から一変して照れの表情を浮かべてきた。
「というわけだから、楓。先に帰ってるな」
「はい、わかりました。夕飯作って待ってますね」
「分かった。それじゃあな!!」
楓と二言ほど会話を終らせると、稟は周りの憎悪の視線から逃げるように教室を後に
した。その手にはネリネの手を握り締めて。
「カエちゃーん、一緒に帰ろ?」
「あ、はいシアさん」
シアに誘われるがままに席を立つ楓。
楓を待つ中、シアは走って去っていく二人の後姿を眺めていた
一心不乱に走る二人。その手は決してお互いを離さんと繋がれている。
稟は追っかけられ慣れているのだがネリネは決して運動は得意ではない。
その豊満な胸を揺らしながら走る様は見る者の視線を釘付けにする。
そんな視線も気にせず、彼らはネリネの自宅である魔王邸まで駆け抜けたのだった。
「はぁ……はぁ……ネリネ、大丈夫?」
「はい……何とか……」
大きく肩を揺らして息を乱すネリネの肌は赤く、額には大粒の汗が滲んでいた。
額に張り付いた髪の毛はその彼女の表情をより艶かしくさせていた。
「稟……さま?」
思わずそのネリネの妖艶な姿に見とれていた稟は、彼女の声によって呼び戻される。
恥ずかしくなった稟は咳を一回して仕切り直すとネリネの自宅のドアを見上げた。
「あ、いや。とりあえず着いたな」
「はい。それではどうぞお上がりください」
ネリネの笑顔に導かれるがままに、稟は家の中へと入っていく。
玄関を抜け、階段を昇り、そして選ばれたものしか入る事が出来ない禁断の園、ネリネの
部屋へと連れて行かれたのであった。
稟は入るのが初めてでは無かった。
しかしここは男性の部屋とは全く違った雰囲気を見せる愛しき人の部屋。
その部屋から香ってくる匂いはそれだけでも甘美なものであった。
脳の奥から、骨の髄から蕩けてしまいそうなその香りに包まれた稟はネリネに言われるが
まま部屋で待つこととなった。
「……あれ?」
彼女を待つ中、稟はこの部屋が何時もと違う事に気がついた。
色鮮やかなこの部屋の中で異質な色を見せるベッドの色。
今までと違ってこのベッドだけがダークブラウンのカバーに変わっている。
見た感じでこのカバーは今まで誰にも使われていない、新品のものである事が肌触りで
分かった。
どうしてベッドだけが新品のカバーに……。しかもわざわざ色がこんな色なんだろうか。
彼の脳にかかる疑問の霧を取り払う為の答えが部屋のドアをノックしてきた。
「どうぞ」
「失礼します……」
「ネリ……ネ?」
稟は彼女の名前を呼ぶのが精一杯であった。
部屋に入ってきたネリネの格好は男性物のYシャツ1枚。Yシャツの裾から見えるスラリと
した長く細い足。その足の付け根へと視線を移すと穿いているのは1枚のショーツのみ。
長い袖を掴み、その両手に抱えられているのは一つの小さな箱だった。
彼女の顔は何時もの白んだ透き通るような肌とは打って変わって体中の血液が集まって
しまったのではないかと言わんばかりの紅さを表していた。
「稟さま……」
ネリネは稟の横、ベッドの端に腰掛けると彼にその小さな箱を手渡した。
何も言わず、ただネリネから箱を受け取った稟はその箱を開ける。
その箱の中に入っていたのは幾つかのブロック状のチョコとチューブ型のチョコ。
特にデコレーションもされていないそれに稟は気づいた。
「ネリネ、これは?」
彼女の方を、とりわけ下半身の方を見ないように気遣いながら稟は聞いてみる。
ネリネは答えるのに一瞬戸惑うもYシャツの裾をギュっと握り締めると口を開いた。
「あの……こ、これで私をお食べになってください」
「え?」
稟は一瞬、自分が夢でも見ているのではないかと言う気にさせられた。
思わず聞き返してしまった稟の言葉にネリネは真正直に応えた。
「このチョコで……私の身体にお好きにデコレーションして……ご自由にしてください」
こんな台詞を誰が教えたのか、稟にはそんな事はどうでも良くなっていた。
彼はただ、目の前で愛しい人に自分を好きにして良いと告げられ、残されていたこの
チョコの小さな一片程度の理性も無くなっていた。
稟はネリネをベッドへと押し倒すと、一つ一つ丁寧にはめられていたボタンを一気に
引きちぎり、彼女のその豊かな身体を露わにさせた。
「り、稟さ……はむっ」
ネリネが彼の名前を告げる前に、彼は渡されたチョコを口に含むと彼女の唇を塞いだ。
その口付けに目をうっとりとさせて蕩けていると彼の口から半分溶けかかったチョコが
彼女の口の中へと舌を伝わって渡される。
ネリネはその彼の舌から伝わってくる味を一心不乱に味わう。
そして稟も同じように彼女を味わっていた。
チョコの味が無くなると、稟は再度口の中にチョコを放り込むと恍惚の表情を浮かべた
ネリネの元へと戻る。
部屋に漂うのは甘い香りと、甘い声。
ブロックタイプのチョコが一通り無くなると、稟は残されたチューブタイプのチョコを
手に取った。
「まずは何処を食べて欲しい?」
「あの……おっぱいを味わっていただけますか?」
彼女の両腕で挟まれたその豊満な胸は稟を待ちかね、その胸の先端は既に硬く尖っていた。
その敏感になっている乳首にチューブの先端を当てると、彼女の身体はビクンっと一瞬
強張った。
「それじゃあいただきます」
「ど、どうぞ」
チョコによって彩られた乳首へと稟はむしゃぶりつく。稟の執拗な乳首への攻撃に対し、
ネリネは甘美な喘ぎ声を出す他無かった。
「あんっ! り、稟さまっ! お、美味しいですか……ふあっ!?」
「美味しいよ、ネリネ」
言葉以外でも答える様に、稟は乳首を舐め上げる。
片手に収まりきらない乳房を掌全体で鷲掴み、揉みしだく。
稟の一つ一つの愛撫に過敏なまでの反応を見せるネリネ。その反応を楽しむかの様に
稟による、ネリネという楽器の伴奏は続く。
──あんっ! ひあっ!? ふわぁぁぁっっ!?
天使の鐘は部屋の中に鳴り響き、その伴奏者はその音に酔いしれた。
唇から始まり、首筋を通って乳首を舐め回し、腹部をを通過した稟の舌は彼女の
ただ一人に許された聖なる場所へと辿り着いた。
「り! 稟さま!? そこはダメです!」
「自由にして言いって俺に教えてくれたのはネリネだよ?」
「そ、それはそうですが……そんな所、汚いです」
「ネリネに汚い場所は無いよ」
「そんな………きゃあぁぁぁんっっっ!!」
稟は舌全体を使って秘唇全体を味わう。
チョコにまみれたその舌はチョコ以外の物、ネリネの味である愛液を感じ取った。
その這い回る舌に敏感に反応しながらネリネは先ほど以上の艶やかな声を上げる。
秘唇の上にあるクリトリスはその快楽に大きく腫れ上がり、びったりと貝のように
閉じられた唇はそれ以上の快楽を求めんとパクパクと開閉させていた。
「ネリネ、もう我慢出来ない?」
「……」
口にする余裕も無いのか、ネリネはただ首を上下に揺らし、稟の手を引っ張りながら
彼を要求してきた。
「それじゃあ入るよ」
「稟さま……」
ネリネの秘唇に稟の陰茎が割って入る。
甘い露に満たされたその場所は、稟が入ってくるのを確認するとその唇は涙を流して
喜んだ。ネリネの美しき旋律は稟のためだけに、今はただ彼だけのために向けられた。
「稟っっさまぁぁぁ〜!!」
「ネリネ! ネリネ!」
上等な料理を貪るかのように至上の快楽に浸る二人。
ただ一心不乱にネリネへ腰を打ちつけ、自分自身を彼女の膣奥深くへと向かわせる。
ネリネはその稟の想いをひたすらに受け止め、彼の陰茎を優しくも全体を味わう様に
膣を蠢かした。
その外側からの快楽に反応するように稟は腰を前後上下左右に動かし、そしてネリネも
内側から与えられる快楽に目を虚ろにしながら反応し続けた。
「稟さま……っ、も、もう私おかしくなっちゃい…んんっっ!?」
「良いよ、ネリネ。おかしくなっちゃいな」
「ダメです……ダメっ! ダメぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
快楽の頂点へと上り詰めた彼女は身体を稟へとまとわりつかせると身体全体を収縮させ、
膣内に入っている稟そのものを膣内全体で抱きしめた。
その脳天から叩き込まれたような強烈な快楽に、我慢の限界が近づいていた稟はあっさ
りとその堰を外したのだった。
「ネリネっ!! 出すよっっ!!!」
「どうぞ……出して下さいっっんあっ!!!」
我慢し続けた白濁液を膣奥深くへ、彼女の子宮へと浴びせた。
「ふあぁぁぁぁぁぁ………稟さまぁ〜〜……」
中に吐き出されている精液を感じながら、ネリネは口から漏れるように声を出し続けた。
大きな快楽を背中を駆け抜けた後、稟を自分の中へと入れたままネリネは稟の身体を
抱き寄せた。
「愛しております、稟さま」
「愛してるよ、ネリネ。ありがとうな、美味しかったよ」
「あ、ありがとうございます……」
稟がネリネの中へ入れていた陰茎を引き抜くと、彼女の秘唇からは沢山の精液が溢れ
出してきた。
そのあふれ出す感触に身を震わせて感じる中、ネリネはその顔を稟の股間へと移動
させる。
「ネリネ!?」
「汚れてしまいましたね、綺麗にお掃除させて頂きます……」
稟の返事を聞く前に、ネリネはその小さな口を精一杯開けて稟を含んだ。
その彼女のぬめりがある口内へ入っていった陰茎は舌で舐め回されていく。
亀頭、カリ裏、裏スジ、根元までもを舌を這わせてくるネリネの献身的な奉仕に
稟の中で収まりかけていた熱が再度燃え上がり始めていた。
「ぷぁ……。綺麗になりましたか?」
口周りを唾液で濡らしながらも笑顔で聞いてきたネリネの身体を再度押し倒すと、
稟は再度亀頭を秘裂へと当てがった。
「り、稟さま? どうなさった……きゃうん!!」
フェラチオをしていたせいなのか、まだまだ濡れそぼっていたヴァギナは何の抵抗も
無く受け入れていった。
「まだネリネが欲しい……」
「どうぞ、お好きになさってください、稟さまぁ……んんぅっ」
魔王邸玄関。
その目の前には楓とシアが立っていた。
「シアさん……勝手に入ってしまって良いのでしょうか」
心配そうに尋ねる楓に対してシアは何時も通りな笑顔を見せてくる。
「大丈夫大丈夫。だっておじさまも言ってたじゃない。『二人とも将来は稟ちゃんの
お嫁さんになるんだろ? だったら言っても問題無いんじゃないかな』って」
「そ、それはそうですけど明らかに魔王様はお酒を飲んでましたし……」
「何時もお酒飲んでるみたいなテンションだから問題ないでしょ?」
確かに神王、魔王の二人のテンションは酔っ払いと思われてもしょうがない位に元気な
事が実に多い。それが他の人を悩ませている種なのだが今は気にしていても仕方が無い。
逆に酒を飲んでいても責任の無い台詞はあまり吐かない二人なのだから言った事は信じ
ても良いのだろう。
結局、シアに押されるがまま……というよりも楓自身も興味はあったらしく、二人は
玄関を開けて中へと入っていった。
「ネリネ……大丈夫?」
「ちょっと……大丈夫じゃないかもしれません。稟さま激し過ぎます」
何回交わったのだろうか。
流石にネリネが力なく身体を揺らして快楽を受け止める様になった時点で二人は繋がりを
解いた。
稟に身体の心配をされたネリネは布団を目元近くまでたくし上げると顔を赤くさせて
小さな反抗をしてみせた。
「ご、ごめん。けどネリネが可愛かったからさ」
「そんな事言われたら怒れないじゃないですか」
「ははは……」
二人の中に気だるさとスッキリとした感じが交わっている中、開くはずの無い扉が
開かれた。
扉の先に居たのは楓とシア。
ドアはきちんとネリネが鍵を閉めたはずなのに何故開いているのだろかとか、そういった
考える前に稟はただ彼女達の名前を呼んだ。
「か、楓!? それにシア……!?」
稟がその二人の姿に驚く中、シアは二人を指さして怒り始める。楓はその後ろでビクビクと
怯えながらシアの服を引っ張って静止をするのだった。
「リンちゃんずるーい!! 私だって稟くんとしたいのにー!!」
「シ、シアちゃん……そんなハッキリ」
「楓はしたくないの?」
「そ、それは……したいですけど」
あっさりと楓陥落。
俺の返答を聞くまでも無く、二人は胸元のリボンを解くとどんどんと服を脱ぎ始めた。
「ネ、ネリネ。お前は何も言わなくて良いのか?」
「私としては……今はこれ以上稟さまのお相手が出来ませんし、シアちゃんと楓さんでしたら
構いませんが?」
「そ、そうですか……」
思った以上にとんでもない発言をする魔界のお姫様。
彼女は何だかんだで人族とは価値観、倫理観は少し違うのだからこんな発言もおかしく
無いのかもしれない。
稟が半ば呆れ気味に笑う中、一糸纏わぬ姿となった楓とシアは彼の目の前へと抱かれに
やってくるのだった。
その後、お腹が減るまでの間ひたすらに愛し合った彼らは楓と稟の家に戻ると、そこには
何故か大量の酒を従えて飲みまくる神王と魔王がおり、その間には不満そうにオレンジ
ジュースをネコのマグカップで飲むプリムラが居た。
神王と魔王にからかわれてただただ苦笑をするしか無い稟と、その片割れではネリネ達
3人のプリンセスが顔を真っ赤にしていたのだった。
「なぁ、ネリネ。あのプレゼント、誰の入れ知恵なんだ?」
「あれは……お父さまです」
「やっぱりか……」
大きく溜め息をつく稟の表情に不安げな顔色を見せるネリネ。その表情を読み取った稟は
彼女の頭に手を添えると、頭を撫でてやった。
「まぁ……また今度、な」
「はい、稟さまが喜んでくださるなら、是非」
少し頬を染めて笑う魔界のプリンセス。
彼女の天使の鐘の特別公演を聴けるのはそう先の話では無さそうだ。