目を覚ます。
 枕元の時計を見ると9時近い。昨日寝たのが2時過ぎだったから俺の中での休日の睡眠
時間としては短い方だろう。
 それにしては目覚めが意外と良い。
 たぶん幸せな一時をなるべく起きていたいのかもしれない。
 そんな幸せの源が俺の左腕を枕にして眠っている。寝返りを打つたびにその綺麗な金髪が
肌を擦り、くすぐったいがそれもまた心地良い。
 天使の寝顔とは良く言ったものだが神族の寝顔は正に天使と言っても間違いは無いだろう。
 その幸せそうな寝顔は多分良い夢を見ているに違いない。
 そんな彼女の寝顔をみながらふと思う。俺もこんな幸せそうな顔をしてたのだろうか。
自分の事ながら想像できない……。
 天使のような寝顔、と言ってふと考えてしまったのだが神族の長であるあの人の寝顔は
間違っても天使の寝顔とは言いたくない。

 そんなついつい観賞し続けたくなる寝顔を正に観賞していると彼女が目を覚ました。
「んふぅ…………あ、稟さん。おはようございます」
「おはようございます。カレハさん」

 


「もぅ、寝てる顔を見るなんて……」
「はははは、そりゃ俺の特権ですから。たっぷりと見させてもらいました」
「それじゃあ今度は稟さんの寝顔も見せてもらわないと不公平ですわね」
「え゙」
 他人の無防備な姿を見るのは楽しいものだが自分のを見られるのはやはり……。
 しかしニコニコと何時もの笑顔で言われると断ることもできず……
「き、機会があれば」
「まぁ♪ 楽しみですわ」
 彼女を好きになればなるほどお願いを断れなくなってる気がする。


「そうだ、カレハさん、お風呂入りますよね?」
 何だかんだで昨日の夜は求め、求められで寝るのが遅くなってしまったほどで、最後には
情事の後に汗も流さずに寝てしまっていた。
 俺でさえシャワーを浴びたいと思ってるのだからカレハさんなら余計だろう。
 カレハさんは俺の言葉に笑顔を浮かべたまま俺へと寄り添ってくる。
 その笑顔はどこか艶やかに見えたのは気のせいではなく
「稟さんのココ……昨日あんなになさったのに元気いっぱいですわね。宥めてあげないと
苦しそう……」
「あ、えっと、これは年頃の男性は良くある生理現象で……」
「はむ……」
 俺が言い訳するかしないかの間にカレハさんは既に俺の股間へと顔を埋め、その端正な
顔立ちが歪むほどに口を開いて俺のを頬張り始めていた。
「ん……んちゅ……んむ…………」
「はぁ……はぁ……」
 小さな口の中で動かされるたびに口壁に当り、亀頭を刺激し続ける。
 この攻撃は実にまずい。カレハさんが俺のものを咥えてるというだけでも興奮できるの
だからあっさりと果ててしまいかねない。
 というか既に射精感がこみ上げてきている。
 ここで果てては男がすたる。
 いや、昨日もカレハさんのフェラチオだけで果ててしまったりもした気がしなくもないが
そんなのは瑣末な問題である。
「カレハさん……俺も攻撃させてもらいますよ」
「んっ! ……ぷぁっ、だ、駄目ですわ!」
 反撃をしようと彼女の頭の動きに連動して可愛く揺れる下半身へ手を伸ばそうとした所、
カレハさんが美味しそうに舐めていたのを止めて俺の反撃を拒絶してきた。
 ちょっと昨日は無茶しすぎて半泣きにさせたのが不味かったのだろうか。
「ど、どうかしましたか?」
「あの、その……き、昨日のがまだ中に残ってるみたいで……きゃっ! だ、駄目!」
 その彼女の言葉を確認するために多少無理矢理彼女の手を滑りぬけて膣内へ指を滑り
込ませてみると確かに愛液以外のぬめりを感じる。
「確かに残ってますね。ほら、わかりますか?」
 まだ残っていた俺の精液を膣壁にこすりつけるように指を動かすとカレハさんは艶かしく
腰を動かす。拒絶しているのか感じているのかはたまた両方か。ただ愛液が溢れ出てきて
いるのを見る限りだと気持ちいい事は確認できる。
「やぁん! ひゃあっ! うあっ! だっ、駄目っ、駄目ですっっわっっ! そ、そんなに
ひゃああああんんん!!!!!」
 一通り楽しんだところで指を引き抜くと指は愛液と精液とが混じった液でベトベトに
なってしまった。
 俺は何も言わずに彼女の口元へと指をやると彼女も何も言わずにその指を頬張る。
 先ほど俺のモノに対して行っていたようにいやらしく指を舐め回す。
 これは失敗したかもしれない。
 神経の集中している指先への攻撃は性的興奮をかなり増長させてくれる。
 自らの行為に少々悔やみながらも我慢できなくなった俺は彼女の口から指を抜いた。
 彼女の脚の間へと体を割り込ませると彼女も自然と脚を開いてくる。その表情は恍惚と
した中にもこの先のことを楽しそうに待ちわびているように見える。
「んぁ……」
 昨日の余韻を残している上でさらに準備を仕上げた彼女の膣口は少しの抵抗を見せた後は
すんなりと挿入っていく。
 根元まで入った時点でカレハさんの膣は小刻みに震え、彼女自身も枕を強く掴んで
絶頂を味わっているようだ。
 どうも俺以上に彼女も限界が来ていたみたいだ。
 ここで連続でイかせてしまうと後々大変なことになりそうなので、俺はゆっくりと腰を
動かす。緩やかな抽送運動をさせていると彼女の表情も快楽をじんわりと感じているみたいで
うっとりとすらしている。
「カレハさん……そろそろ……」
「はい……稟さんのお好きなように……」
 彼女のその言葉で俺はラストスパートをかける。
 ギリギリまで引き抜いて一気に奥まで挿し込む。彼女の入り口が俺の幹を甘美に刺激して
俺はあっさりと限界に達してしまった。
「あ……あぁ……稟さんのがいっぱい出てますわ……」
「カレハさん……」
「稟さん……」

 


「すみません……最後慌しくなっちゃって」
「いえ、そもそも私が我侭を言ってしまったせいですし、一緒にシャワーも浴びれましたから
問題ありませんわ♪」
「そ、そうですか……」
 ラブホテルを出て話す会話としてはなんとも惚気てる事この上ないだろう。
 さて、何故こんなことになっているのかと言うと……
 話を少し前に戻そう。

 


 時間は8/31の午後6時過ぎ。
「土見くんの裏切りものー!!!」
「ゆるせ麻弓、俺はお前の宿題の手伝いよりも大切なものがあるんだ」
「そもそも麻弓の宿題の手伝いなんかやりたくないのは当然だけどね」
「そんな事言いながらなんでお前がうちに居るんだよ」
「そんな野暮な事を聞くのかい稟。麻弓の宿題を手伝うという口実があれば楓ちゃんの家に
来れる。シアちゃんもヤバいみたいだからこんなに美しい女性達に囲まれ放題。こんな
幸せ空間があるのに来ないわけ無いじゃないか!!!」
「んな事を力説せんでよろしい。それじゃあシア、頑張ってな」
「二次関数が連立方程式で線形代数だから……」
「……ネリネ、頼むな」
「は、はい……」
 頼むからそんな不安そうにしないでくれ。

 8/31は夏休み最終日。しかし今年は9/2までのロスタイムがあるという事で最終3日間で
夏休みを仕上げようとみんな集まっている次第だった。
 しかし今年の俺は一味違う。
 ある目的の為に俺は必死になって宿題を終わらせていたのだ。愛の力は偉大だ。
 カレハさんは見た目のとおりの優等生。宿題など夏休みに入った早々に終わらせてしまう
程の。
 そんなカレハさんと付き合っていると自然とプレッシャーがかかるもので、カレハさんの
家にいって一緒に勉強をしたこともあった。
 宿題がこの時期に終わっているというのはある意味当たり前の結果だ。

 しかし頑張ったのにはそれ以外の訳がある。
 カレハさんの誕生日だ。
 彼女の誕生日は9/1。登校日である。みんなで祝うことはもちろんあるがやはり恋人同士
なら二人きりで祝ってあげたいもの。
 しかも可能なら一番最初にだ。
 そういった訳で俺は彼女に一晩一緒に居て日が変わると同時に祝わせて欲しいと言う事を
お願いしてみた。
 カレハさんは実に嬉しそうに承諾してくれた。
 その後の妄想の飛び具合は中々大変だったけど。


 そんな訳で二人きりになれて泊まれる場所という事で色々とホテルを探してみたのだが
結局少し離れた街のラブホテルとなってしまった。
 カレハさんは楽しそうにしてたからまぁ良いけど少しは良い所を見せたいというのが
男心である。

 ともかく彼女を日付変更と同時に祝うことはできた。
 その後に二人とも盛り上がってしまって少々大変だったけど。
 そして冒頭に至る。
 以上回想終了。

 


「稟さん、これからどうしますか?」
「そうですね……正直言うとあまり考えてなかったりします。デートの内容とか考えるの
苦手で……」
 何とも情けない。彼女を祝うことに夢中で次の日にどうするかを考えてなかったのだ。
「それでは夏休み最後の思い出に色々と回りましょう♪」
「それじゃ何時もと同じじゃ……」
「あら、違いますわ」
 彼女は当然のように言ってくる。
「私の18歳になって最初のデートですから。全然違いますわ♪」
 当たり前のように言われると恥ずかしい事この上ないが嬉しい。
 カレハさんは俺の手を握ると歩き始めた
「この街では見てないお店がたくさんありますから楽しめそうですわね♪」
「は、はははは……」
 忘れてた。女性の買い物は恐ろしく長い事を。

 


「稟さん、大丈夫ですか?」
「え、えぇ」
 そういえば前、樹に女性の買い物は覚悟するようにとは言われてたけど6時間近く
色々な店を渡り歩くのはさすがに答えた。
 色んな服に着替えるカレハさんを見れるだけでも役得ではあったけどそれを差し引いても
キツいものがあった。
 結局俺の両手にはかなりの量の荷物が握られている。

「今日は楽しかったですか?」
「えぇ、とっても。夏休みの最高の思い出になりましたわ♪ 亜沙ちゃんにもたくさん
話してあげませんといけませんわね♪」
「あ、あくまでも話すのは今日のお昼の内容程度で……ね?」
「そしてきっと我慢できなくなった亜沙ちゃんは夜な夜な稟さんを呼び出して……
まままぁ♪」
「あー……何とか今日は妄想させずに済んでたのに……カレハさーん……」
「あ! お義兄ちゃん! それにお姉ちゃ〜ん!」
「お、ツボミちゃん。何処かに行ってたの?」
 カレハさんが深い妄想に入りつつ何とかカレハさんの家の前あたりに来たところで
何処かに出かけてたらしいツボミちゃんと鉢合わせになった。
「はい、お友達のところで宿題の答えあわせをしてました。お義兄さん達はデートの帰り
ですね。きゃっ♪」
 うぉ、いきなりスイッチ入りかけてる。
 これは不味すぎる。二人ともスイッチが入ったらとてもじゃないが対処できない。
 早々に帰るが吉だろう。
「? お姉ちゃん?」
 カレハさんの妄想モードに気づいたツボミちゃんがカレハさんに近づくと小さな声で
呟くカレハさんの妄言を耳にする。
 少し離れたところに居る俺には何を言ってるか分からないが、暫くした後、ツボミちゃん
の顔がボッと沸騰したようになってしまった。
「ツ、ツボミちゃん? どうしたの?」
 ツボミちゃんの元に行ってみるとツボミちゃんは恥ずかしそうに
「お、お義兄ちゃんのは……その……お、大きいんですか?」
 とんでもないことを聞いてきた。
「ツ、ツボミちゃん一体何を!?」
「だ、だってお姉ちゃんがお義兄ちゃんのはとっても大きくて気持ち良いって……」
 カレハさんなんて事を言ってるんですか……勘弁してくださいよ……。
「ど、どうなんですか、お義兄ちゃん!!」
「そ、それは……」
 こ、こうなったら……


「ツボミちゃん。カレハさんお願いね! それじゃあ俺はこれで!!」
「あ、お義兄ちゃーん!!!」

 こうなれば逃げるが勝ち。
 ツボミちゃんには悪いけどカレハさんを任せて俺は先に帰ることにした。
 カレハさんと一緒に居るのは楽しいのだけどやはり大変だな……。


 

 

 


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